能登半島地震からの早期復興プロセスの研究

掲載日2025.01.18
最新研究

理工学部 社会基盤?環境コース
教授 南 正昭
都市計画学?社会基盤計画学

概要

岩手大学理工学部南正昭教授らの研究グループは、2024年1月1日に発生した能登半島地震からの早期復興プロセスをまとめました。震災後の文献調査等からデータを収集し、早期復興プロセスを4つの期間に大別し、復興計画の立案と実施、応急仮設住宅の建設、社会基盤施設の復旧、追悼式典の実施等の観点から復興年表を作成することで、早期復興プロセスを整理?分析しました。
本成果により、今後の復興への寄与や、各国?各地域での大災害に伴う甚大な被災を早期復興に導く実践的な知見として蓄積されることが期待されます。

背景

2024年1月1日に発生した能登半島地震により、石川県をはじめとして広域的で甚大な被害が生じました。本研究では、現在進められている能登半島地震からの早期の復興プロセスを体系的に整理することを試みました。東日本大震災などこれまでの大規模災害の教訓を生かすこと、能登半島地震の災害復興からの教訓を引き継ぐことを目的としました。

研究内容

政府の報告書、石川県の復興計画、地域ニュース、災害観測記録など、能登半島地震発生後の資料からデータを収集し、早期復興年表をまとめました。復興プロセスを、災害発生と緊急対応、復興準備、早期復興の開始、中期復興の始まりの4つの期間に分け、復興計画の立案と実施、応急仮設住宅の建設、社会基盤施設の復旧、追悼式典の実施等の観点から早期復興プロセスを整理しました。

研究成果

このタイムラインの分析により、今般の早期復興は、「災害後の救援?緊急対応」、「災害後の復興準備期間」、「インフラ復興?応急住宅建設期間」の3つのフェーズから構成され、効率的で組織的な復興プロセスを実現しようとしてきたこと、特に住宅再建に関して、公共資源としての応急仮設住宅について、避難者ニーズへの対応が配慮されてきたことを明示しました。

図 能登半島地震からの住宅再建

今後の展開

能登半島地震からの早期復興段階のタイムラインを整理したことから、今後の復興の進展、各国?各地域での大規模災害に伴う甚大な被災を早期復興に導く実践的な知見として蓄積すること、東日本大震災などこれまでの大規模災害の教訓を生かすことが期待されます。

掲載論文

題目:A Timeline-Based Study of the Early Reconstruction Phases in Ishikawa Prefecture Following the 2024 Noto Peninsula Earthquake
著者:Yang, D., Minami, M., Fahim, A.U., Kawashita, T.
誌名:Sustainability (Switzerland), 16(24),
公表日:11 December 2024

本件に関する問い合わせ先

理工学部 システム創成工学科 社会基盤?環境工学コース
教授 南 正昭
minami@iwate-u.ac.jp
019-621-6454